第4回 西淀病院喘息学習会
日 時:2014年5月31日(土)14時~16時
内 容:昨年発売された新しい喘息治療薬の話 講師:神浦茉奈美 薬剤師
新しい喘息の検査の紹介 講師:大野啓文 医師
喘息治療の継続のための工夫 講師:中武祐子 薬剤師
サルコペニアという病気について 講師:大野啓文 医師
新薬2つ、呼気NO、サルコペニアの話大好評でした!!
2014年5月31日、第4回西淀病院喘息学習会が西淀病院2階医局会議室で行われ、18人が参加されました。ポスターやHP、メイリングリストによる案内、口コミでこられた方が大半でした。ポスターを見て検査技師の方も一人参加されました。主な内容は以下の通りです。
第一講義 昨年発売された新しい喘息治療薬の話
良く分かった:9人 だいたいわかった:5人 余りわからなかった2人
(内容1)新しい薬は、レルベアとフルティフォームの二つ。どちらも吸入ステロ度+長期作用型気管支拡張剤の合剤です。新薬なので、まだ一回2週間投薬しかできません。
レルベアは一日1回吸入ですので、何回も吸入することがむつかしい人にはお勧めです。
フルティフォームは残数が色で表示され、表示が小さくて見えにくい人にはお勧めです。また高用量使用されているかたでは、シムビコートに比べ価格が低く経済的負担が減ります。
第二講義 新しい喘息検査の紹介・・・呼気NOについて
良く分かった:8人 だいたいわかった:6人 余りわからなかった:2人
(内容2)気管支喘息は気道の好酸球性炎症が主ですが、その炎症の程度を簡単に知る方法がありませんでした。昨年保険で検査が認められて、呼気NO濃度が外来で簡単に測れるようになり、炎症の程度が数字となってわかるようになりました。手技は息を吸って吐くだけで簡単です。喫煙者は低く、アレルギー性鼻炎の人は高めになります。発作が安定していても呼気NOの高い人は、吸入ステロイドの減量は慎重にする必要があります。しかし経営的に採算が困難な検査なので、一般病院にまで広がるのはむつかしいと思われます。
第三講義 喘息治療継続のための工夫
良く分かった:12人 だいたいわかった:4人
事前にアンケートを取って参加者で積極的に話し合いました。吸入チェック表の使用などみなさんどんどん話がはずみ盛り上がりました。参加者から出された吸入薬を忘れないための工夫は、
1 薬を忘れないように、内服薬の常備薬などとまとめて食卓のそばにおいて
必ず食前にする様に習慣をつけています。
2 朝食時目の前(テーブルの上)にそえている
3 喘息日記に吸入薬のNoを吸入のつど記入している。
4 朝は忘れる時は、出かける前にする様にしています。
5 夜は歯磨きの前にすることを習慣づけています。(食事前がベストですが)
6 薬の置き場所を決めるようにしています
7 薬箱に薬とともに「吸入カード」を入れておいて服用時にチェック
8 食事の準備をして吸入するようにしている(主婦の方)
第四講義 健康講座・・サルコペニアという病気について
良く分かった:12人 だいたいわかった:4人
今話題になっている筋肉減少症・・サルコペニアについての話です。筋肉はカロリーを消費していますが加齢に伴い運動しないと筋肉が減少し、生命維持に必要なカロリー(基礎代謝)が減ってきます。若いときと同じように食べているとカロリーオーバーになり、体型は同じでも身体の筋肉が脂肪に置き換えられていきます。筋肉量を増やす運動とタンパク質の摂取が必要なサルコペニア肥満の人が増えています。サルコペニアの簡単なチェック方法と運動の紹介、食事の注意などを紹介しました。
参加者の【意見・感想】
- いろいろと新しいことも取り入れた内容で理解ができました。次回の学習会も楽しみにしています。ありがとうございました。
- サルコペニアについて良くわかったので良かった。私は病院の帰りは家まで歩く。
- なかなか聞けないお話で、当病院に来てよかったと思う。ありがとうございました。
- 呼気NO検査の紹介、炎症の度合いがわかり知るのが楽しみです。各病院にも備えてほしいです。
- 薬の話も良かった。サルコペニアの話良かった。
- ピークフロー日記帳を継続して毎日記録して、30冊目になりました。ピークフローの数値だけでなく、体調、運動、食事内容、歩行数(キロ、カロリー消費量)服薬実績、排便などのデータを記録し続けています。自己管理上、大変有益と思いますので、続けていくつもりです。2年前に胃の手術を受けライフスタイルを夜型から朝方に変え、早朝に2時間のウォーキングを継続しており、現在では非常に元気に日々を送っています。
- 喘息は自分が主治医。喘息に関して新しい情報はいつも知っておきたいと思います。
次回は、2014年11月8日(土)14時から16時の予定です。
講義内容が決まればまた掲載します。
この学習会は西淀病院が地域に向けて発信する家庭的な雰囲気の小さな喘息の勉強会です。
どなたでも参加自由です。
<お問い合せ先>
西淀病院 医局宛て
〒555-0024 大阪市西淀川区野里3-5-22
電話:06-6472-1141 FAX:06-6474-7685