喘息学習会

第8回 西淀病院喘息学習会

「第8回 西淀病院喘息学習会の報告」 2016年5月28日(土)14時~16時 

参加者12名 西淀病院医局会議室 報告者 大野啓文

第一講義

「正しい吸入薬の使い方~より効果的に吸入できるようになるために~」津森美保薬剤師

喘息治療で最重要な吸入の仕方の学習です。

吸入操作

噴霧式エロゾル剤

パウダー製剤

①薬のセット

吸入前によく振る

カチっと音が鳴るまで動かす

②姿勢を正す

姿勢を正す、呼吸を整える

③吸入前の息の吐き出し

自然に吐き出す

深呼吸のようにしっかり吐き出す

④薬剤の吸入

3秒くらいかけてゆっくり吸入する

早く深く吸入する

⑤息止め

5秒くらいを目安に、苦しくない程度に息止めをする

⑥吸入後のうがい

吸入後はうがいをする

ポイントは

③の呼気のあと意識的に息を止めることでより深い吸入ができること

吸入のときの舌を下げて(あくびのときの舌の位置)のどの奥を広げることです。

スマホやインターネットで「吸入レッスン」を検索すると各種吸入器具別の動画による指導・練習問題まである日本大学医学部のウエブサイトがあり,自己点検に有用です)

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第二講義 最新の喘息の話題   大野啓文医師

1)新しい喘息治療薬「ヌーカラ」って何?

遺伝子組み換え人化抗IL-5モノクロナール抗体「ヌーカラ」が6月から保険治療として認められました。毎月1回の皮下注射薬で1本約17万6千円と高価です。重症で血液中好酸球の多い人が有効とのことです。

2)日本でも始まった「気管支サーモプラスティ」今年の呼吸器学会より

気管支壁に高周波電流で熱を与え(65度10秒間)を通して喘息で肥大した気管支平滑筋を減少させ、喘息発作を減少させる治療です。日本では2015年より保険適応され全国39の施設で、今年3月時点で90例くらいが治療されています。治療は約3か月の間に約1週間入院(3割負担で38万円)を3回して治療します。なおインターネットで「喘息への新しい治療方法 気管支サーモプラスティ治療法」で検索するとYou Tubeの動画が見れます)

3)災害への備え 九州の地震もあり今また被災した時の呼吸器患者への注意喚起がなされています。「東日本大震災被災地域の皆さま呼吸器に関するQ&A」を紹介しました(日本呼吸器学会ホームページに掲載されています)。避難生活となった時の手洗い、マスク携帯などの感染対策、いざというときの為の薬の確保(ステロイド、抗生物質、吸入薬)、お薬手帳を忘れないことなどが大切です。

(4)参加者からの希望演題~認知症を予防する食べ物・行動・運動について~認知症は85歳を超えると4割の方がなるというほどのよくある病気です。大半を占めるアルツハイマー病や脳血管性認知症の予防はメタボ対策が重要です。塩分や糖分を控え高血圧、糖尿病、コレステロール血症の対策をすることでイギリスやアメリカでは認知症の発症率が既に低下傾向にありますが日本はいまだ増え続けています。予防には運動も重要で同時にしりとりしながら散歩するとか頭を働かせながら運動することが大切です。でも交通事故にはお気を付けください。

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【出された感想】

①塩分は知らない間に随分多く摂っていると思い怖くなった。明日からは早見表を見ての生活になります。少々気が重くなってます。

・アルツハイマーにならないように、肉より魚をたくさん食べようと思いました。

・大変有意義な学習会でした。いただいた資料をじっくり読ませていただきます。

・吸入薬の使い方の講義がよく分かりよかった。

・久しぶりに参加です。治療法、薬剤色々と変化していました。

・認知症の年齢になってきました。出来るだけ遅い方がいいので、今日教わった生活に近づくように思っています。

・吸入薬の正しい使い方は分かりやすかった。いろんなポイントがあることがわかった。

・喘息の新しい治療法もでてきており、勉強になりました。

回の第9回西淀病院喘息学習会は2016年11月19日(土)14時~

場所:西淀病院2階医局会議室です。詳細は決まり次第お知らせします

 


<お問い合せ先>
西淀病院 医局宛て

〒555-0024 大阪市西淀川区野里3-5-22
電話:06-6472-1141 FAX:06-6474-7685


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