健康ひとくちメモ

健康で長生きするために ~便秘~

2024/05/01

高齢になると便秘で困っていらっしゃる方が大勢おられますので、今回は便秘のお話をします。 

便秘とは『本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態』、『3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態』と定義されています。

歳をとってご飯を食べられない人が、毎日出ていたものが2日に1回しか出なくても実は「便秘ではない」ということになります。 

 便秘は、①がんなどによる狭窄 ②腸の機能低下や便の質が悪いこと が原因で起こります。高齢者の便秘で気を付けないといけないのは①です。便潜血検査で陽性の人は、大腸がんの可能性があるので大腸カメラを受けましょう。②の場合は慢性便秘と診断し治療します。

  下剤は食物繊維を十分にとったうえ(1日20g)で開始するのが適切なので、便秘の治療に食生活はとても重要です。しかし食物繊維20gをとるには、ごぼう2本、キャベツ1玉、そば4人前と高齢者にはとても大変です。そこで、できる限り食物繊維をとりながら、かかりつけの先生に下剤を適切に処方してもらい、2日に1回の排便で患者さんが満足することが重要です。

西淀病院 医師 豊川 勝久

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