睡眠時無呼吸症候群
STEP1 症状
STEP2 症状
睡眠時無呼吸症候群は軽視できない病気です
この病気は、すぐにどうなるというものではありませんので、多くの場合は単なるイビキの変形と受け止められ、見過ごされてきました。しかし、最近になり何もせず放置した場合、性格の変化、交通事故率の上昇を招くばかりか、通常の3~9倍の死亡率の上昇をもたらし、確実に生命予後を悪化させる疾病であることが判明してきました。一晩のうちに40回から数100回も呼吸が停止すると、そのたびに酸素欠乏になり、体が休憩できず、脳や心臓血管系をじわじわといため続けていく病気なのです。
この病態をお持ちの方は、世の中に大勢います。しかし、本人にはなかなか気付きにくい事、良質の睡眠の維持や健康に無関心である事、及びこの病態の知識や情報が今まで少なかった事が発見の障害となっていました。
呼吸が止まると、脳が「危ない」と判断して呼吸を再開させます。その短い覚醒が一晩に何回も起こっているので実際はあまり睡眠がとれていないのです。
STEP3 入院
検査と診断をする為の入院が必要です
睡眠時に起こる症状を診断する為に、検査入院が必要ですが、決して大げさなものではありません。通常、1泊2日の入院になります。夕刻に来院していただき、検査のためのセンサーをつけて眠っていただきます。翌朝退院となります。検査の解析に2週間かかりますので、外来の診察の日に検査結果と診断およびそれに基づいた治療方針の説明を行います。
STEP4 診断
終夜睡眠ポリグラフ検査
この検査では、睡眠中の脳波、呼吸の状態や、酸素飽和度、心電図、いびき音などを記録するため、下図のようにさまざまなセンサーをつけて生体情報をとります。少し煩わしい感じはありますが、痛みはありません。また、センサーをたくさん着けているので眠れないのでないかと思われますが、実際にはほとんどの人が眠っておられます。なお、当院では検査に際しては、いびきの大きい方も周囲を気にせず眠っていただけます。
STEP5 治療
確実に症状の改善が感じられます
程度によって選択されますが、中~重症例では、CPAPという専用の器具の使用が適しています。この治療がうまくいけば、この病態はほぼコントロールが可能です。病状の明らかな改善と予後の明らかな改善が得られます。
残念ながら、飲み薬はまだありません。多くの場合、まず体重を自分で減らしていくことです。これには、しっかりと自覚を持つ事、及び栄養士の食事指導による方向づけが有効です。マウスピースの適応の場合には、専門の歯科医師を紹介します。
STEP6 治療(CPAP)
睡眠時無呼吸症候群専用の治療器具
CPAP(nasalCPAP:nasal Continuous Positive Airway Pressure)は、鼻マスクからの空気で上気道に陽圧をかけ続けることで、軟口蓋や舌を押し上げて気道を広げ、無呼吸を防ぎます。 有効性・安全性・即効性が高く、また手術療法や歯科装具等による治療法が、無効な場合にも有効な治療法です。 はじめは不快に感じても、徐々に慣れていきます。又、副作用も殆どありません。
CPAP療法の適応の場合は、装置の圧設定や効果判定の為、1泊入院が必要になります。
昼間の眠気指数
状 況
| 該当点数 |
---|---|
1.座って読書をしている時 | 0 1 2 3 |
2.テレビを見ている時 | 0 1 2 3 |
3.公の場所で何もしない時(例えば劇場や会議) | 0 1 2 3 |
4.1時間続けて車に乗せてもらっている時 | 0 1 2 3 |
5.状況が許せば午後横になって休息する時 | 0 1 2 3 |
6.座って誰かと話をしている時 | 0 1 2 3 |
7.昼食後静かに座っている時(酒は飲まず) | 0 1 2 3 |
8.車中で交通渋滞で2~3分とまっている時 | 0 1 2 3 |
該当点数
0:決して眠くならない 1:時に眠くなる 2:1と3の間 3:眠くなることが多い
正常:10点以下
軽度:11~12点
中程度:13~15点
重度:16点以上