【 story3 】 回復期リハ 自分が受けたい看護②
〈 明るい雰囲気が病棟のウリ 〉
西淀病院の回復期リハ病棟は、
「第一印象が明るい」と患者さんによく言われます。
「朝行くと『いやん、あなたが来てくれると元気が出るわ』
って嬉しいその言葉ですね。
バイタル測ってる間に余計な話をこっちで喋ってることを
隣の人が聞いてて、『そうそう』って入ってくるもんやから、
なかなか部屋から出られず
『ごめん、もう出るわね。私仕事してないって言われるわ』
って言うくらい。
そりゃ辛い時もありますけどね、
私が暗い顔をして行くと患者さんも心配しますから、
女優ではないんですが(笑)。
皆さんが元気になるために、いかに前向きに
リハビリをがんばってもらえるかが大切ですから」
リハビリに消極的な患者さんがいても、
リハビリスタッフと相談して
リハビリに行かざるを得ない状況をつくったり、
友達ができるような関係性を探ったり。
それでも否定的な時は医師が家族と話し合いますが、
大抵の場合は、看護師、介護士の明るさに押されて
入院生活を乗り切られています。
そんな看護師たちを師長も温かく見守っています。
「月に1回くらいね、師長がおうちで作ってきてくれたご飯を
みんなと一緒に(食べる)。ついこの前も。
みんなで仲良く食べようねっていうので。
そろそろ(ごはん会)しましょうかー?とか言って。」
〈 苦労の向こうにやりがい 〉
回復期リハビリ病棟は、本来は
集中的なリハビリで心身ともに回復して
自宅や職場に戻っていただくことを目的とした病棟です。
その人の力を最大限活かすよう支援し看護することは、
すべての看護師の願いです。
しかし、実際にはこの病院だけでリハビリが終わらないことや
リハビリが上手くいかないこと、
ご家族や患者様の様々な状況を垣間見ることもあります。
力不足や、社会の矛盾を感じ、
悔しい思いもたくさんあります。
それでも時々「楽しかった。退院したくない」
と言われる患者さんがおられたりする時には
心の底からやりがいを感じます。
「正直待てないときも多いんですよ。
けど待ちます。がんばって。
それを後輩に教えているのに、
自分がしないということではダメなんで。」
「早くできないかなぁ」って今日も心でつぶやきながらも
「待っています。」
つづく*